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2017年ドルトムント留学体験記

小栗 拓馬

派遣先: Evonik Industries AG

動機

海外勤務及び生活に興味を持っていたため応募しました。派遣先が工業大国の一つであるドイツであったことも魅力的でした

研修

私は Evonik Industries AG という化学会社に勤務しました。同社はサッカーの香川選手が所属するボルシア・ドルトムントのスポンサーなのでご存知の方も多いかと思います。私は MTT Group という固液分離(濾過、遠心分離etc.)を専門に行うチームに配属され、主に2つのプロジェクトに参加しました。一つ目は Excel VBA によるデータ分析の自動化ツールの作成で、具体的には実験値からデータの計算、グラフの作成等を行いました。経験則モデルに対するフィッティングパラメーターを計算するコードを書く際には、3回生頃に授業で習った内容が非常に役に立ちました。ただ、Excel の記述はコメントアウトまで全てドイツ語だったためその点は苦労しました。二つ目は、新たな濾過装置の導入を検討している顧客に最適な技術の提案を行うもので、私は各プロダクトの濾過特性の評価を担当しました。濾過については全くの初心者だったため、得られたデータを前にどうして良いか頭を抱えました。photo1 小栗拓馬濾過ケークの特性及びそれらが濾過プロセスに与える影響は実に様々であり、上司や同僚に聞いたり文献を調べたりしながらなんとか評価を行いました。

社員の方はみな友好的で、中には日本語で挨拶してくれる方もいました。また、インターン生の国籍はドイツの他にもフランス、中国、アメリカと国際色豊かで、昼食の際には文化の違いや週末の予定を話したりと楽しい時間でした。

生活

勤務地はハーナウという田舎町でしたが、photo2 小栗拓馬私はフランクフルトに住んでいました。毎朝7時前の電車に乗り、バスなどを乗り継ぎ片道一時間以上かけての通勤は、大学生活に慣れきった私にはなかなか大変でした。ただ、フランクフルトは都会だったため不便なことは何一つなく、時にはフレックス制を利用し、早上がりして街を散策したり、インターン仲間と飲みに出かけたりしました。日本食が恋しくなったときには、同じアパートに住んでいた竹原君とラーメンを食べに行っていました。

週末には友人達とケルン、ハンブルグ、ミュンヘンなどドイツ中を旅行しました。古城を訪れたり、サッカーを観戦したりと毎週末非常に充実していました。ヨーロッパの美しい町並みを眺めながら、昼間からテラス席で友人と飲んだビールの味は今でも忘れられません。

最後に

 ドイツでのインターンは、楽しいこと、辛いこと、新しいことの連続でとても刺激的な二ヶ月でした。一時は語学に対する不安や就職活動への影響などを考え応募を躊躇うこともありましたが、参加してよかったと強く感じています。この経験を思い出で終わらせることなく、今後に活かしていきたいと考えています。最後になりましたが、松坂先生、吉本秘書、Kerzel 先生はじめこのプログラムに関わった全ての方々に感謝します。ありがとうございました。

小野 竣佐

派遣先: Bayer AG

きっかけ

私は漠然と海外で仕事をすることに興味があり、在学中に海外留学やインターンを経験したいと考えていました。このプログラムは大学から経済的な援助を受けることができ、夏季休業中に行われるため単位や進学の心配もないということが魅力的でした。自分の英語力に不安はありましたが、英語しか通じない場所に置かれて実践的に英語を使っていく方が上達も早いだろうと考え応募しました。

職場について

私はBayer AG社という製薬会社に派遣され、ドルトムントから少し離れた町の Bergkamen にある工場に勤務しました。部署は ProductSupply というところで、ここでは工場で用いられた排水が集められ、物理的、化学的な処理をして再利用できる化合物は分離して回収、浄化された水は工場外へ排出するというプロセスを扱っていました。私はこのプロセスにおいて重要な種々の変数間の関係性を見出し、最終的にはそれをモデル化するという仕事を任されました。プロセスのデータを測定、分析するソフトはどちらもドイツ語のものであるなど一つ一つの作業を行うのにかなりの時間がかかりましたが、上司に頻繁にディスカッションを行う機会を設けて頂いたりして何とか仕事を進めることができました。周囲には同年代の人はいませんでしたが、自分の部署の他の上司や現場の方などからも普段からフレンドリーに接して頂き、非常にすごしやすい雰囲気の中で仕事を行うことができました。インターンの最終週には車で1時間ほどの Münster という街に観光に連れて行ってもらうなど仕事以外にも新鮮な経験をすることができました。

生活

photo1 小野竣佐滞在先は Bergkamen のフラットでした。インターネットが通っておらず、最初のうちは不便な思いもしましたが、大家さんが近くのスーパーや銀行の紹介、足りない家電の追加など、とても気にかけてくださり生活にだんだんと慣れていきました。夕方4時ごろに仕事が終わってからは家でお酒を飲みながら週末の予定を立てるなどしてゆっくりと過ごしていました。

週末はせっかくの機会なので毎週末必ず旅行しようと決めていて、休む間もなく、かなり活動的に2か月間を過ごしました。初めは電車の乗り方やレストランの注文方法など新しい環境に右往左往しました。photo2 小野竣佐特に電車やバスの遅延は多くて、旅行帰りに駅から家までのバスがなくなるなどのトラブルにも遭いました。そんな環境の中で、慌てることなく人に尋ねながら、なんとか解決策を見つけられるようになり、最後には自信に繋がりました。

旅先では街並み、料理などその土地ごとに特徴がありどこに行くのも楽しかったです。また、ドイツの夏は日本の夏に比べてとても涼しいので、街を探索したり、レストランのテラスでビールやワインを飲んだりして過ごすのも快適でとても満喫できました。特にお酒は安く、旅先で買ったワインをフラットに持ち帰って平日に楽しむなど、毎週末の旅行はとても楽しみでした。

最後に

 海外での体験を通して英語を使うことへのハードルが少し下がったと感じました。また、自分自身や自国のことについても見つめ直すきっかけになりました。今回だけの経験に終わらせることなく、視野を広く持っていくことで今後の財産にしていきたいと思っています。

本プログラム参加にあたって、準備をしていただき、親身に対応してくださった松坂先生、秘書の吉本さん、また、不測のトラブルにも柔軟に対処していただいたドルトムント大学のカーツェル先生をはじめ、支えてくださったすべての方々に感謝いたします。ありがとうございました。

笹倉 彬禄

派遣先: Envimac Engineering GmbH

動機

海外で生活することで様々な考え方を知るとともに, 専門分野である化学工学を活かした労働体験ができることに魅力を感じ応募しました.

内容

私はドルトムントの西側にあるオーバーハウゼンという街にあるENVIMACという企業で働きました. この企業は排水からアンモニアなどの有害物質を分離する技術を中心としたプラントエンジニアリング系企業です. 今回のインターンシップでは大きく分けて二つのプロジェクトに参加しました. 一つは排水処理によって生成された硫酸アンモニウムから液体肥料を製造するプロセスの設計です. その設計において, まず私は実際に出回っている製品について市場調査を行いました. その実際の製品の分率などを基に3つのプロセスを上司に提案しました. その後ENVIMACが年間に製造できる流量でコストと利益を概算し, 最適プロセスを決定した後, その製品が実際に製造できるかラボスケールで実験を行いました. もう一つは充填塔を用いた二酸化炭素の吸収実験です. これは高さ約3メートルのパイロットプラントを用い, photo1 笹倉彬禄実際にENVIMACが生産しているパッキングを使用して液ガス流量を変更し最適な運転条件や, 本企業製品の性能などを調査するものでした.

私の他にインターン生が常に数人おり, 彼らとともに先述した内容の仕事をしました. 彼らの中にはTU Dortmundからきている学生もおり, 大学生活, 研究, またドイツと日本の文化の違いなど多くの話ができ, 充実した日々を送ることができました.

photo2 笹倉彬禄生活

私は, TU Dortmundの学生寮に住み, 電車や同僚の車で片道1.5時間かけて通勤していました. 大学の寮には学生が運営しているバーがあったので仕事が終わってから同僚と飲みに行ったりしました. そこでは, 様々な国から来ている留学生がたくさん来ており, いろんな国籍の知り合いができました. また, 同僚は同じ寮に住んでいたため, 料理を一緒に作ったり, 休日にはBBQやドルトムント周辺に観光に行ったりと環境には恵まれていました. 彼らとは帰国後も連絡を取り合う程, 仲の良い友人になることができ, この研修で一番いい思い出になりました. また, 寮にはテレビがなくインターネットのデータ容量も制限があったので, 持って行っていた電子書籍で本を読むことぐらいしか時間の使い道がなく, 人生で一番読書が捗りました. 週末には京都大学の友達とドイツ各地へ旅行したり, サッカーの試合を見に行ったりと非常に充実した生活を送ることができました.

最後に

研修開始当初は分からないことが多く不安が続きましたが, 働き出し外国人の友人が増え, 彼らと飲みに行くなどの楽しみが増えるに連れて, その不安が異国の地でも生活することができるという自信に変わっていきました. このような経験は比較的時間の多い学生時代にしかできないと思います.

非常に貴重な経験ができたこと, 本インターンシップに関わった全ての方々に心より感謝申し上げます.

竹原 凪人

派遣先: Kuraray Europe GmbH

動機

今まで生活してきた環境と比べ、文化も考え方も異なる国で2ヵ月間生活するという体験は今この時しかできないものであり、何事にも挑戦してみなければ自分の知識や感覚の幅は広がらないと感じ、参加を決意しました

研修内容

私のインターン先はKuraray Europe GmbH という所で、日本に本社をもつクラレという化学会社のヨーロッパ支社でした。Operational Business Supportという部署に配属された私は、「Kuraray Poval 製造ラインの改良」と「Mowiflex 製造ライン新設の検討」という2つのプロジェクトにおいて実行可能性調査を行いました。実行可能性調査というのは、プロジェクトの初期段階において、そのプロジェクトの事業化が技術的に実現可能なのか、期待通りの収益が見込めるのかということについて、法律、市場調査、安全管理、採算性などの方面から多面的に分析することです。このため実行可能性調査では、物質収支や必要コストの計算は±50%程の幅をもっておおまかに行われ、様々な計画案が検討されます。私の上司は何度も私をプラントに連れて行って下さり、反応器や蒸留塔など実際のプロセスについて1つ1つ丁寧に教えて下さいました。また、POWTECHという粉体に関する展示会や Kuraray Europe の他工場の見学にも連れて行って頂き、プロジェクト以外でもとても親切にして頂きました。

今回の研修を通して、今まで学習してきた化学工学についての理解がさらに深まったのはもちろんのことですが、エンジニアとして実際に現場でチームの一員となってプロジェクトに携わるという非常に貴重な経験ができました。社内社外関わらず、1つのプロジェクトに関わる大勢の方々とコミュニケーションを図ることの重要性、チームで1つとなって目標に向かって突き進むやりがいを、身をもって実感しました。これは2ヶ月という長期間インターンシップだからこそ得られたものだと思います。

photo1 竹原凪人

私はフランクフルトというドイツでも有数の大都市にある学生寮で生活していました。そのため、生活に必要なものにはほとんど困りませんでした。平日は8時から17時半まで働き、週末はドイツ国内を観光していました。他の仲間と旅行も行きましたが、1人で観光することも多く、とても良いバランスで充実した生活を送ることができました。観光先への移動は安価なバスがほとんどでしたが、1時間以上遅れることもしばしばあり、ネットが使えない中、これからphoto2 竹原凪人 来るのか既に行ってしまったのかわからないバスを待ち続けたり、予約していた宿に着いたのに中に誰もおらず入れなかったりなど小さいトラブルはありました。しかし、トラブルを含め、観光先での出会いや、日本との文化の違いから生まれる考え方の違いを通して自分を見つめ直せたことなど密度の濃い時間を過ごすことができました

最後に

このインターンシップへの参加を考える上で、海外での生活や企業での研修など不安なことは、やはりありました。また、エネルギーを使ってわざわざ大変な環境に飛び込むことを面倒だと感じ、参加を敬遠した人もいました。しかし自分にとって未知である以上、あらゆることは、やってみないと何が得られるのかわかりません。実際私は想像以上に有意義な時間を過ごすことができ、勇気をもって挑戦して本当に良かったと感じています。ですので、参加に悩んでいる後輩の皆さんには、研修を終えた自分の姿を長い目で見て想像した上でもう一度検討してみて欲しいと思います。

最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださった本プログラムの関係者の方々に深く感謝申し上げます

中村 琢海

派遣先: ATEX Explosionsschutz GmbH

動機

私が4回生の時にドルトムント報告会と懇親会に参加した際、自らの英語力の無さを痛感するとともにドイツの学生と楽しそうに話す先輩方を見て自分もこうなりたいと考え参加を考えるようになりました。また、2か月にわたる海外での生活と化学工学を用いた仕事にも興味があったので志願しました

研修

私はATEX という粉塵爆発防護会社に勤務しました。同社はドイツだけでなく、アメリカやスペイン、イギリス、さらには日本にも支店をもっています。主に粉爆防護設備の開発と販売を行っており、ドイツではそれらの製造と顧客の商品を用いて会社内の敷地で爆発実験・消火実験を行っています。また、それらの実験の規模は非常に大きく、140mという大きな反応器で爆発を行うこともあり、隣接したオフィスの窓にのったほこりが宙に舞うこともあり、非常に驚きました(さすがにこれほどの大きな爆発では社員の方々も何事かと騒いでいましたが)。そのため、この会社は超が付くほどの田舎にあります。

さて、僕がこの会社で行っていた業務内容についてですが、同社では先ほども述べたように粉爆防護設備を製造しています。これらはもちろん粉体を扱うプロセス内に取り付けられます。粉体は化学、食品業界では非常に多くの分野で利用されています。その中でも、僕は食品製造プロセス、特に粉ミルクの製造プロセス内に取り付けられる防護装置について学びました。粉ミルクを製造する工程では、photo1 中村琢海牛乳を噴霧乾燥器に投入し、サイクロン、バグフィルターで処理を行うのが一般的です。これらの機器の内部に堆積した粉ミルクが乾燥に必要な高温の空気にさらされて、発火し、粉塵爆発につながることがあります。この発火を早期発見することが非常に重要です。そこで、同社では堆積した粉ミルクが不完全燃焼する際に発生する微量のCOを感知する装置を完成させ、多くの食品メーカーに利用されています。さらに、自身で噴霧乾燥器の設計を行い、食品化学の一端に触れることができ、自身のスキルアップに役立ったと感じています。

photo2 中村琢海生活

ATEX社の敷地内にあるドミトリーで2か月間過ごしました。先ほどにも申しあげましたが、同社はかなりの田舎にあります。スーパーマーケットに行くにも片道20分、1時間に1本しかないバスに乗ります。終バスが20時半ですので、非常に不便です。しかし、敷地内にジムがありますので、いつでもトレーニングを行うことができ、筋ト好きの僕はこれが唯一の救いでした。

週末は友人たちとドイツ各地を旅行し、充実した休日を過ごし、毎日充実しているなと感じておりました。

さいごに

2か月間のインターンシップを通して、ドイツを知ることで逆に日本の事もより深く認識することができ、自分の進路やこれからの日常の過ごし方についても改めて考える良いきっかけとなりました。最後になりましたが、本プログラムの関係者の方々に深く感謝します。今後も本プログラムが続いていくことを切に願っております