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2009年ドルトムント留学体験記

西山 奈津美

派遣先:Bayer Material Science

動機

ドルトムントへの留学私はこれまで海外に行ったこともなく,また,行きたいという欲求も全くありませんでした.治安が悪いという先入観もありましたし,むしろ一生日本から出たくないと思っていたぐらいです.ただ,このプログラムについては知り合いの先輩が行っていたので1回生の頃から知っていて,その先輩からいろいろとお話を伺っていたので興味は持っていました.また,現在は企業もどんどん海外に進出しているため,“就職してから自分もいずれ海外に行かなければならない時が来るかもしれない,それなら学生のうちに海外への恐怖心を克服したほうがいいのではないか”と考え,このプログラムに参加することにしました.

研修内容およびドイツでの生活

私の研修先はBayerグループの1つであるBayer Material Scienceのホログラム部門でした.プラントはKölnの近くに位置するLeverkusenという町にあり,そこで2ヶ月間を会社の用意してくれたアパートで過ごしました.

研修内容はホログラムの記録媒体に使われる染料の調査でした.ホログラムについてはそれまで全くの無知と言ってもいいぐらいで,初めは久しぶりに見るベンゼン環がいっぱい並んだ構造式に拒否反応を示す日々が続きました.しかし,8月中旬からは実験もさせてもらえるようになり,また,日本語の論文を英語に訳すなどいろいろな仕事もさせてもらえるようになったため,楽しく仕事に取り組むことができました.

さて,平日は上で述べたような業務をしていたのですが,休日は毎週末旅行していました.私は主にドイツ国内を中心に旅行し,慣れてきたころにはフランスなどの近隣国にも行きました.旅先でも初めてのことばかりで戸惑うことも多かったのですが,今となってはいい思い出ばかりです.

日本との違い,学んだこと

まず,驚いたのは現地の人が働く時間帯です.ほとんどの人が朝6時ぐらいに来て,夕方には帰る生活を送っていました.金曜日なんかは,週末だからといって13時すぎには帰る人がいたぐらいです.なぜ,そんなに朝早くから働いて早く帰るのかと一度聞いてみたことがあるのですが,それは少しでも家族と過ごすためだそうです.また,休日はファミリーデーで家族と家で過ごすことが多いため,スーパーなどのお店も閉まってしまいます.このように,仕事ではなく家族を1番に考えるライフスタイルがとても羨ましかったです.

また,英語の重要性も改めて感じました.会社の人達はゆっくり話してくれたので聞き取りはなんとかできるのですが,自分の思っていることを英語で話そうとしても全くできませんでした.伝えたいのにどう伝えていいのかわからない情けなさに日々苦しみました.研修ではたいしたことはできませんでしたが,こういった悔しい想いをすることで少しは成長できたのではないかと思っています.

中村 尚登

派遣先:Bayer Material Science

出発前まで

以前(化プロコース配属時)から,ドルトムントでの研修プログラムにはとても興味がありました。2ヶ月間にわたり海外に滞在できるだけでなく,通常の留学とは異なり,企業で働くことができるという点にとても魅力を感じていたからです。当然,不安はありました。本当に自分の英語能力で上司達とコミュニケーションがはかれるのか,企業からの報酬に見合った成果を出すことができるのか,そもそも,2ヶ月間無事にドイツで生活することができるのか…などなど,不安材料は山積みでした。しかし,結局,このような不安に比べ,このプログラムに対する好奇心が勝り,参加することを決意しました。週末は旅行にも行くことができる,という点も見逃せませんでした。結果的には,このプログラムに参加して本当によかったと思っています。

配属先で

配属先は,ドイツ北西部ケルンにあるBayerという製薬・化学会社でした。ケルンは大聖堂で有名なドイツの西の玄関口です。業務内容は,カーボンナノチューブ(CNT)を配合されたポリカーボネート(PC)の物性(主に粘弾性)を測定するというものでした。その中でほぼ毎日,上司に進捗状況を報告し,今後の方向性などを議論していました。しかし,出発前の不安通り,英語がコミュニケーションを阻む壁となりました。相手の言っていることは理解できるのですが,自分の考えを正しく伝えることに悪戦苦闘し,いつも恥ずかしい思いをしていました。また,インターン中は企業の寮に滞在していました。寮の同じ階にはアメリカからのインターン生が何人か滞在しており,拙い英語でも彼らとコミュニケーションをはかろうとすれば意思疎通ができ,今でも時々連絡をとるような間柄になったことは自信につながりました。同時に,このような思いから,なんとしても英語を自由自在に扱えるようになろうと思いました。

ドイツでの生活

パーティードイツでの生活は,コンビニがなく,スーパーも日曜が休みな点以外は,気候も食べ物も治安もよく,かなり快適でした。ただ,周りで目にする人が東洋人でないだけで,緊張感が違います。日本ではそんな状況にならないですし。

また,毎週末ヨーロッパ巡りをしました。滞在していたケルンは鉄道の要所なので,どこに行くにもアクセス抜群でドイツ国内だけでなく,計10カ国以上を観光できました。インターンについてくるオマケとは思えないほど満喫できました。

このインターンでは,職場や寮においてたくさんの優秀な方々と接する機会があり,社会に出たらこのような人と勝負しなければならなくなると思うと,これからの生活を見つめ直す良いきっかけとなりました。また,このインターンでは,日本で過ごす夏休みでは経験できない多くのことを学んだだけでなく,限られた期間内で成果を出すことを求められ,とても刺激的なひと夏を過ごすことができました。これを読んでくれている皆さん,M1の夏休みぐらい京都を離れてみてもいいのではないでしょうか。

金 尚弘

派遣先:Bayer Schering Pharma

留学への思い

私がドルトムント研修に参加した最も大きな理由は,2ヶ月間ヨーロッパに滞在できるからです.しかも,大学と企業から金銭的な援助を受けられるなんて願ってもない話な訳です.ということで,不純な動機(?)ながら選抜テストを受けて研修に参加しました.

研修は,製薬会社であるBayer Schering Pharmaで,プラントのエネルギー効率向上を目指すという化学工学らしいプロジェクトのお手伝いをしました.具体的には,プラント内の水質を測定したり,コンプレッサで送られてくる空気が漏れている箇所を特定したりすることによって省エネ化を目指していました.私たちの仕事時間は朝の9時から15時頃までと,かなり短く,他の方も16時にはほとんど帰宅しており,日本人の作業効率って相当悪いのかなぁと思ったりもしました.

仕事の後の楽しみ

ドルトムントでのハイキング仕事が終わってからは,主に,裏の家のインターネット回線を借りて,週末の旅行計画を立てていました.日本との連絡も気軽にできたので,不自由に感じることは無かったです.また,週に一回程度,職場の上司とビリヤードやボーリングに連れて行ってくれました.週末は,せっかくヨーロッパに来たんだからということで,観光しまくりました.平日の仕事より観光のほうが体力を使っていた気がします.研修期間前後も含めると約30都市に訪れ,2000枚以上の写真を撮りました.観光の感想を一言で言えば,「ヨーロッパの町並みは美しい.」歴史的な建物が都会の真ん中に突如現れたりするなんていう,日本では考えられないことが普通に起こることにかなり感動しました.今思うとかなりの贅沢な時間でした.

上記以外にも,日本では体験できないことが毎日起こり,本当に本当に有意義な2ヶ月間でした.特に,以下の点ではかなり成長できたのではないかと思います.

英語力

ドイツ語の中で生活していると,英語なんかほとんど分かるやんって思いますよ.TOEICスコアもアップしました.知らない場所に行って,右も左も分からないけど,信じれるのは自分だけ.そんな状況ばっかだったらイヤでもたくましくなりますよ.

価値観

色んな人と触れあい,自分の価値観を広げることができました.これが具体的な形で役に立っていると実感することは難しいですが,研修に参加したことで,確実に,自分の人生は豊かになっていると思っています.もっと具体的に知りたい人は,私に尋ねてくれるのもいいですが,是非,ドルトムント研修に参加して,あなたの目で,耳で,肌で,舌で,鼻で,第六感で,体験することをオススメします.

谷川 伸

派遣先:ドルトムント大学

参加の動機

私は一年前の研修報告会を聞いてこのインターンシップに興味を持ちました.2ヶ月の間(少ない費用で)滞在できるのは良い機会だと思い,参加することにしました.

研修先

私の研修先は,ドルトムント大学の研究室でした.ここでは一つの研究室に所属するスタッフ・学生の人数が多く,国籍や年齢の幅が広くさまざまでした.またドクターコースの人が多く,彼らはスタッフになっているようです.私はそのうちの一人の研究の手伝いという形で,ジェット流とエマルションの生成に関する実験を行いました.内容としては限定的でしたが,研究の背景や実験機器の使い方などを丁寧に教えていただくことができました.スタイルの違う研究室でふだんと違うテーマの研究に触れられたことは良い経験になったと思います.

寮生活

研修の間は大学の学生寮に住んでいたので,生活しやすい環境でした.ドルトムント大学の学生証があれば,市内のバスと地下鉄は(私の勘違いでなければ)乗り放題でした.学食のメニュー,味,ベジタリアン用メニューがあるところなどにはドイツらしさを感じました.週末には他の都市へ身軽に出かけることができ,このインターンに伴う大きな利点の一つだったと思います.

英語

英語でのコミュニケーション(特に雑談)はただの旅行会話よりも難しく,まだまだ英語力が足りないと感じました.またドイツ語をできるだけ勉強しておけばもっと楽しめたと思います.それでも研究室のメンバー(時期的にバカンスに行ったり戻ってきたりでなかなか覚えられませんでしたが…)や,同時期にインターンに来ていた学生,寮の学生と少しずつでも話ができ貴重な体験になりました.

気候も印象的で,サマータイムということもあって7月下旬は夜の9時半ごろまで明るく,暑さは穏やか(というより8月下旬以降は夏とは思えないほど涼しい)で,京都の夏とは違うなという感じでした.

最後に,研修先を見つけてくださった大嶋先生,ドルトムント大学のKerzel先生,受け入れてくださった研究室のみなさまに深く御礼申し上げます.また,大学からの補助のおかげで金銭的な負担をあまり感じることなく参加することができました.本当にありがとうございました.