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2007年ドルトムント留学体験記

吉田 篤史

派遣先:BASF Coatings

研修先

私の勤務先はMuensterにあるBASF Coatingsでした.MuensterはDortmundから電車で1時間ほどの距離にある町です. Muensterはドイツの中でも自転車が交通手段として多く使われる町だそうで,私も片道40分程かけて,ほぼ毎日寮から会社まで自転車で通っていました.自転車は大学から無償で貸していただきました.

仕事内容

私は,自動車塗装工程のうち電着工程で用いられる塗料の開発に携わる部署に配属されました.テーマは,塗装プロセスで塗料が液だれを起こさないように,塗料を評価する方法の検討でした.週一回程度の頻度でディスカッションがあり疑問点などを話し合います.英語で自分の意見を相手に伝えることは難しく,はじめは言いたいことの半分も言えていなかったように思えます.しかし会話に慣れてくると,自分の考えなどをだいぶ伝えることができるようになりました.自分の意思を相手に伝えるために必要なのは,英語力というよりも,自分に自信を持って喋ることだと思います.自分の持っている英語力や,考えに自信を持って喋ることの大事さを感じることができたのはとてもいい経験でした.インターンシップ生として,ただ実験をやらされるというのではなく,自分の持っている能力を信じ,意見を述べることで会社に少しは貢献できたのではないかと思います.

ドイツでの生活

ドイツでの生活についての話をしますと,朝8時出勤なのでいつも6時くらいに起きていました.普段日本では夜型の生活をしていて朝起きるのが苦手なのですが,不思議なことにドイツでは毎日気分よく起きることができました.朝が早い分退社するのも早く,私の研究室では3時半くらいにはほとんどの人が帰ります.帰宅後は自宅近くのスーパーマーケットで買い物をして,寮で自炊をしていました.ドイツ滞在中はパスタとソーセージ,ビールを好んで食していました.

土日は毎週旅行に出かけ,ドイツ国内はもちろん,夜行列車でオランダやフランスに行ったりしました.仕事以外のこういった面でも,様々な文化に触れ,貴重な体験をたくさんすることができました.ヨーロッパに住んでいる人たちは気軽に国境を越え,異なる国の人とコミュニケーションをとることができると思うと羨ましく感じます.

インターンシップで感じたこと

このインターンシップに参加して得たものは,日本で生活していてもなかなか得ることができない貴重なものばかりだったと思います.英語に関しても,実際に海外に行って会話することによって,英語で実際に喋って伝えることの難しさを感じ,自分に足りない能力を自覚することができます.また様々な国を訪れることによって,色んな価値観をもった人と出会うことができ,自分の世界を広げることができると思います. 2ヶ月間というのは長いようですが,実際に生活すると一瞬で過ぎ去っていきます.ですので,度胸を持って色んなことに挑戦することが大切だと思います.

池田 顕一

派遣先:BASF Coatings

インターン先

私は自動車の車体塗料を開発しているドイツの化学会社であるBASF Coatingsで研修を行いました。場所はドルトムントから北に50 kmの位置にあるミュンスターという所で、非常にきれいでのどかで治安も大変良い街でした。BASF Coatings は世界一の化学会社であるBASF の重要な子会社であり、ミュンスターの製造現場は、BASF Coatings にとって心臓部とも言える非常に重要な拠点です。

私の仕事は、4層から成る自動車用の塗料のうち表面に位置するClearcoat と呼ばれる層のGel Time (粘度と時間の関係)について調べる研究を行いました。具体的に言うと、イソシアネートとClearcoat (アルコール)を混合させた溶液に種々の触媒を添加して、ポリウレタンを生成させる反応を行った際の粘度上昇の時間変化を粘度計で測定し、より短い反応時間を得られる触媒を探索することが私の実験の目的でした。最初は慣れない実験で悪戦苦闘しましたが、研究室の研究員たちの助けもあり、1ヶ月が経つ頃にはだいぶ慣れた手つきで実験できたと思います。

仕事の仕方

仕事環境について少し触れますと、朝は8時から9時の間に出勤し、午後4時くらいには毎日帰れました。これはほとんどの社員たちにも当てはまることであり、サラリーマンたちが眉間にしわを寄せながら夜遅くまで仕事をしている日本社会の常識と比較すると非常にカルチャーショックを受けました。また実験の待ち時間には、研究室の社員たちと日本やドイツの文化・風習の違いについて談笑する機会もあり、何となく大学の研究室と似た雰囲気があったように感じます。

滞在先

また普段の生活について述べますと、会社から少し離れた所の学生寮に滞在し、平日は帰宅後、スーパーで食材を買い、寮で自炊し夕食を食べながら相棒の吉田君といろんなことを語り合っていました。週末には、ドイツ国内のみならず近隣のオランダやベルギー、フランス、スイスに旅行に出掛け、多くの世界遺産や芸術作品を見て周り、様々な文化に触れる貴重な体験をすることができました。

ドイツの雨

この体験記を読んで、参加を希望する後輩たちには、ドイツは夏といっても非常に寒い (夜は10℃くらい)ので長袖を必ず持っていくことと朝よく雨が降るので、傘を必ず携帯すること (ドイツ人は雨でもあまり傘を差しませんが・・・)を助言しておきます。そして、何よりも人生でもまたとない貴重な体験をすることができるこのインターンシップに参加されることを強く勧めます。

伊藤 敬文

派遣先:Uhde GmbH

ドイツでの生活

ドルトムント研修には、研究室の先輩や先生の話を聞いて興味を持ったことがきっかけで参加することになりました。

まず、普段の生活の中で感じたことについて述べたいと思います。私の研修先は、Uhde GmbHで、場所はドルトムント大学から自転車で30分程度のところでした。住宅としてはドルトムント大学の学生寮を利用させていただいていました。ここでは学生の普段の生活に触れることができました。印象に残ったことをいくつかあげると、まず、ドイツの学生はパーティー好きなようで、学生寮のそれぞれの建物の付属のバーで週に1回程度パーティーが行なわれており、多くの学生が参加していました。私と、同じ会社に派遣された久保田君、平田君とでそのパーティーに毎週参加したのですが、お酒を飲みながらのドイツの学生や、留学生との会話は盛り上がり、何人かの人と仲良くなることができました。

欧米人とアジア人

また私の住んでいた建物は家賃が安いこともあってか留学生の人モ多く住んでいたのですが、欧米人の学生はあまり料理をせず、簡単に食事を済ませる一方で、アジア・アフリカ人の学生は毎日手の込んだ料理を作ってしっかり食事をするなどの文化の違いを感じました。またそれ以外にも、会社でのドイツ人の働き方、日本とドイツの道路・鉄道事情の違い、食料事情の違いなど体感することができました。これらのことは、実際に現地に行って生活をしないと実感できないことであると思います。

また週末のドイツ国内やドイツ国外への旅行や、同じ建物で生活した久保田君との共同生活も貴重な体験で、そこから学ぶことも多かったと思っています。

英語

次に英語について述べたいと思います。日本にいるときには、はずかしさもあって留学生に対しても日本語で話しかけてしまうなど英語を使う機会をみすみす逃してしまっていたのですが、日本語が通じない状況になって初めて英語を使って話し、自分の拙い英語が相手に通じたときには、文章の読み書きだけでなく、コミュニケーションにおいても英語が使えることを、身をもって実感しました。ただ、英語力不足もあって内容のある話や議論がなかなかできなかったため、もう少し勉強しておけばよかったと後悔しました。やはり英語力があったほうが、研修時に得るものが大きいと思うのでこれから行かれる学生さんにはしっかりと準備して臨んでいただければと思います。

稲垣 達也

派遣先: Uhde GmbH

きっかけ

私は修士修了後、なにかしら海外と関わりのある仕事をしたいと考えていたので、海外で英語を使ってインターンシップという経験ができるドルトムント研修に参加させてもらいました。本当によい経験をさせてもらったと感謝しています。以下、まずインターンシップ先を紹介した後、仕事内容、そして日常生活・週末の過ごし方などを述べたいと思います。

研修先

私の研修先はティッセンクルップというドイツに本社のある多国籍企業のグループ会社である、Uhde GmbHというメタノールやアンモニア、硝酸など石油化学に強いエンジニアリング会社でした。エンジニアリング会社というのは一言で言えばプラントを設計・建設する会社のことで、日本で言うと日揮や千代田化工建設、東洋エンジニアリングといった会社が有名です。エンジニアリング会社に馴染みの無い方でも、4回生前期のプロセス設計で東洋エンジニアリングの鈴木さんにお世話になっているので、東洋エンジニアリングの名前くらいは聞いたことがあるのではないかと思います。この文章を書いている今、わたしはエンジニアリング会社への就職を考えています。Uhdeでインターンを行うことになったのは偶然でしたが、希望業界でインターンが出来たことは幸いでした。

仕事の内容

インターンシップではメタノール-水系の気液平衡関係の推算式のパラメーターフィッティング(約1ヶ月)、Envi-Nox®というUhdeが開発したN2O排出抑制型硝酸製造プロセスのオペレーションデータの集計(約2週間)、Envi-Nox®と競合するN2O排出抑制型硝酸製造プロセスのマーケットの状況把握(約2週間)の大きく分けて3つの仕事をさせてもらいました。上司との意思疎通、用いる資料、使うソフトと英語尽くしでの作業は大変ではありましたが、同時に英語の重要性を再確認させてくれるものでした。

寮生活

会社は受け入れ大学であるドルトムント大学から自転車で30分もかからない場所にありましたので、インターン中は大学の寮に住ませてもらいました。私は同じ会社にお世話になったほかの3人とは少し離れた寮をお借りすることになり、最初は正直言って少々不安でしたが、ドイツ人の化学専攻の学部生とのルームシェアは、しばしば食事を共にするなどで楽しいものでした。週末(およびインターン前後)は寮の周辺の探索からベルリンやドレスデンをはじめとしたドイツ国内の都市、そしてマーストリヒトやプラハといったドイツ外の都市を訪問し、ヨーロッパの町並み、そして各都市がもつ歴史に触れることが出来ました。

留学して気づいたこと

ドルトムント研修に参加して得たことは、英語の重要性の再認識や各地への旅行の機会だけではありません。書き表せないような様々な経験をさせていただきました。

久保田 将人

派遣先:Uhde GmbH

出発まで

二ヶ月間ドイツに滞在してインターンを行う,という本プログラムの概要を聞いた時には,正直自分には荷が重いと感じました.これまでに,海外に行った経験はありましたが,最長でも一週間程度の滞在でしたし,現地の人々とコミュニケーションをとる必要性もあまりありませんでした.本プログラムでは,滞在期間の長さもさることながら,現地の人々とコミュニケーションをとり,給料に見合った仕事をし,その成果を英語で発表する義務があったわけです.経験がないからこそ得るものを大きいはずだ,という期待感を持ちつつも,自分には無理ではないか,という不安を抱えたままこのプログラムへの参加を決めました.参加に踏み切る後押しとなったのは,週末には旅行も楽しめるようだし,二ヶ月間のインターンも単純に楽しそうだと感じられたことでした.夏季休業を利用するわけなので,楽しめるかどうか,これが一番重要だと思いましたし,実際楽しみながら多くのことを学べたので,この判断は正しかったと思います.

研修先

私の研修先はドルトムントにあるUhde GmbHというプラントエンジニアリング会社のElectrolysis divisionでした.おもな業務内容としては,実際に稼働している電気分解法による塩素,苛性ソーダ製造プロセスの運転データを解析し,イオン交換膜,電極の性能評価や,イオン交換膜の性能劣化と溶液中の金属イオン濃度との関係の調査などを行いました.仕事は簡単なものから自力では手に負えない困難なものまで多種多様でしたが,わからないことは尋ねれば丁寧に教えてくれたので,仕事を進める上で困ることはありませんでした.コミュニケーションに関しても,同僚たちの英語力は非常に高いので,根気よく聞き,説明すれば問題なく意志疎通が可能です.もちろん,自分の英語力のなさを嫌という程実感させられますし,たくさん恥もかきましたが,この経験を良い薬としていこうと思っています.手も足も出なかったのはドイツ語でした.昼食の時など,ドイツ語で会話をしているところには全く入って行けませんでした.ドイツ語が分かればもっと楽しかっただろうと思います.生活する上でも英語で事足りますが,やはりビールを飲むときやスポーツ観戦をするときはドイツ語が分かったらな,と感じることは多かったです.

寮生活

インターン期間中はドルトムント大学の学生寮に滞在していました.寮には留学生が多く,共同スペースで食事をしているときに,色々な国からきている学生と話をしました.出身国も人種も宗教も様々でしたが,皆高い志を持って留学してきているようでした.彼らのような学生が世界中にいて,これからの競争相手になるのだと思うと,自分の大学生活を見つめ直す必要があることを実感し,これからどのように生きていくかを考える良いきっかけとなりました.

平田 琢也

派遣先:Uhde GmbH

研修先

私はドルトムントの中心部から徒歩30分程に位置するUhde GmbHというエンジニアリング会社の本社で研修に参加していました。私は主にポルトガルに建設予定の硝酸製造プラントの設計に携わっていたのですが、配属された部門が機械部門であったため、建設地域の風力、地震を考慮にいれて装置の固定法や固定ボルトの種類を決定したり、熱交換器内のパイプの本数を算出するといったことを仕事として行っていました。また、同僚と実際に反応器を製造している工場へ出張に行ったり、Uhde の持つ温室効果ガス除去技術に関することを学んだりもしました。やはりこれまでに学んできた知識をもう少し使うことができるような仕事に取組みたかったという思いもありますが、実際の設計現場では化学工学以外にも本当に様々な分野の専門性をもった方々働いており、私自身違った分野について学ぶことができたという意味で非常に良い経験ができたと考えています。また、オフィスは基本的に2人1部屋で私はドイツ人の新入社員と2ヶ月間同じ部屋でした。彼とは仕事やそれ以外のことについて話したり、ほぼ毎日一緒に昼食をとっていたため友情のようなものが生まれ、最終日には某番組の最後のように少し涙が出そうになりました。職場の方々とは仕事以外でもパーティーや遠足、カートレース、サッカーなど様々なイベントに一緒に参加しました

日常生活

日常生活についてですが、私はドルトムント大学の学生寮に3人のドイツ人学生とルームシェアをする形で滞在し、会社へは主に自転車で30分程かけて通勤していました。ルームメイトは典型的なドイツ人、明るいドイツ人、心配性なドイツ人となかなか複雑な構成で、私も始めは彼らに遠慮していた面もあり生活習慣の違いに戸惑いましたが、彼らに遠慮する必要がないと気付いてからは一緒に食事をしたり寮の学生Barに行くなど、普段の生活も非常に楽しいものにすることができました。あちらの学生は全体的にとても個性的で、始めは圧倒されますがすぐに打ち解けることができます。また勿論、週末には電車で周辺の国や都市を訪れました。電車のパスが安いというのは本当に助かりました。

ドイツの文化

上述のように、職場でも普段の生活でもドイツの学生や社会人の方々と接する機会が多かったため、ドイツの文化、社会問題、生活習慣など旅行では知ることができないようなことを多く学ぶことができました。実際に働くことを経験できただけでなく、普段の生活からも多くのことを学ぶことができたため、この研修はとても有意義なものだったと感じています。英語力の向上という点においても2ヶ月間で格段に向上するというよりは英語を流暢に話せるようになりたいと真剣に思えるようになったという点でとても良い機会だったと思います。プログラムに応募しようと考えている方もどうしようかと迷っている方も実際に参加される際には是非、先入観を捨てて相手が上司であろうと遠慮せず積極的に行動してみてください。そうすればより充実した2ヶ月間を過ごすことができると思います。