動的界面化学

教員

マクナミー キャシー (Cathy E. McNAMEE)

 教授(工学研究科)

研究分野 

コロイド・界面化学

研究テーマ

  • 液体中の表面間に作用する力への非平衡性の影響
  • 界面に働く力をうまく利用して、希望の物理特性を持つ薄膜を設計・製造すること

連絡先

桂キャンパス A4棟 2階222号室
TEL: 075-383-2635
E-mail: mcnamee.cathy.8r@kyoto-u.ac.jp

研究紹介

化学、製薬、食品、セラミック、鉱物、バイオテクノロジー等の産業では、コロイド(おおよそ1×10-6 m未満の微粒子)が液体中に分散されたり凝集したりしている多くのアプリケーションがあります。コロイド間に作用する力は、コロイドが分散するか凝集するかを決定します。反発力は分散を引き起こし、引力は凝集を引き起こします。コロイド系の力を変化・制御することで、様々なアプリケーションにおいて、希望の特性を得ることができます。

製品の製造では、混合、濃度変化、化学反応などの非平衡条件下での処理が必要とされます。また、多くの製品は、温度変化や磁場、電場の存在する非平衡な環境で使用されています。平衡状態から非平衡状態に変わると、コロイド系に働く力も変化します。

マクナミー研究室では、非平衡状態でのコロイド系に作用する力がどのように変わるかを実験的に研究しています。また、次の目標も持っています:

  1. コロイド系に作用する力を変化・制御する方法を見つけ、コロイド系全体の物理的特性を自在に変化できるようにする。
  2. 界面に働く力をうまく利用して、希望の物理特性を持つ薄膜を設計・製造する。

研究トピック1. 液体中の表面間に作用する力への非平衡性の影響

原子間力顕微鏡というナノスケールでの測定が可能な装置を用いて、液体中の表面間に働いている力を直接測定します。平衡および非平衡状態では、表面間に働いている力が異なることを発見しました。非平衡状態とは、例えば外部からの刺激(例: 音、電場、磁場)がかかっている状態や、表面が物理的に動いている状態(例: 2つの表面を滑らせて摩擦を生じさせる、表面を振動させる)、または液体が流れている状態です。

afm liquid flow: Langmuir

研究トピック2. 界面に働く力をうまく利用して、希望の物理特性を持つ薄膜を設計・製造すること

気体―液体または固体―液体の界面で薄膜を作製することで、薄膜の物理特性を制御する方法を開発しています(右図)。薄膜が関係する界面(気体―液体または固体―液体)に働く力は、薄膜の構造や物理特性に反映されます。界面に働く力は液体の特性や外部刺激(例: 電場、磁場)によってコントロールします。希望の物理特性を持つ薄膜を自在に設計・製造する方法の開発を目指して研究を行っています。

langmuir trough1.jpg