材料プロセス工学

教員

長嶺 信輔 ( Shinsuke NAGAMINE )

准教授(工学研究科)

長嶺顔写真1

研究テーマ

多孔体、微粒子などナノ・マイクロスケールでの構造を有する固体材料の創製とその構造、形態制御を中心に研究しています。最近は材料の表面修飾法の開発,植物原料からの肉代替食品の開発に取り組んでいます。

連絡先

桂キャンパス A4棟 1階104号室
TEL: 075-383-2686
FAX: 075-383-2646
E-mail: nagamine@cheme.kyoto-u.ac.jp

研究紹介

我々の身の周りは,プラスチックやセラミック,金属など多くの材料に囲まれています。これらの材料は用途に応じてブロック,繊維,粒子,フィルムなど様々な形態に成形され,組み合わされて用いられています。すなわち,機能性の高い材料を得るには,用途に適した性質を持つ物質の選定に加えて,その形態,構造を適切に制御することが重要です。材料プロセス工学研究室では,材料の形態,構造を制御し,機能を発現できるような材料作製プロセスの開発を行っています。

1. セルロースナノファイバー利用技術の開発

植物繊維を解繊して得られるセルロースナノファイバー(CNF)は,低環境負荷かつ高強度な繊維として樹脂補強剤などへの応用が期待されています。

本研究室では,ムール貝の接着タンパク質を模倣したポリドーパミン(PDA)を利用したCNFの表面修飾法について研究しています。CNFのPDAコーティング,官能基の導入によりCNFの表面特性を変化させ,樹脂補強剤としての機能を向上させることを目指しています。

また,CNFを殻材として利用したマイクロカプセルの作製を行っています。油水界面でのCNFのエマルション生成能を利用して多孔質マイクロカプセルが作製できます。さらに表面でのPDAの生成により細孔を密閉することが可能です。

2. 肉代替食品を志向した植物性タンパク質含有繊維の開発

人口増加や途上国の経済発展による食肉需要の拡大により,将来の食肉供給不足が懸念されています。この問題を解決する手段として植物性タンパク質を原料とした肉代替食品が注目を集めています。

本研究室では,大豆等の植物性原料より食肉の筋繊維を模したタンパク質含有繊維を開発し,より食肉に食感を近づけることを目指しています。